地方独立行政法人には目標を決めて、その達成状況を評価・報告するというシステムがある。
公立病院の地方独立行政法人化の目的は、上記に象徴される方法で、効率的で生産性のある病院経営を達成することにあると認識している。
その取り組みに、効率化と生産性の罠はあるか。
医療について、効率化するべきことはあると思うが、効率化だけに執着すると、患者軽視、医療スタッフの思いの軽視につながるケースもある。ここに罠がある。そうは言っても、時間や予算は有限だ。バランスが大切だ。
私はここ数年、効率化に執着してきた。成果も上げた。しかし、その事に異を唱えるメンバーもいる。
そのバランスを見極めて、舵取りできるようにしていきたい。
生産性についても、診療報酬を増収させることに執着し、採算の取れないものを排除する姿勢は、本来の医療からはずれてしまう。
そうは言っても、ボランティアでは経営は成り立たない。
現在の医療制度には矛盾がつきまとう。
しかし、矛盾のない世界などない。
そもそも人間自身の心自体、矛盾の連続だ。
そのカオスの中に、普遍を見出だしつつ、時に応じたバランスを保てるよう、舵取りしていきたい。